
岩手、遊牧民起業家が羊の新地平 持続可能な生き方提案
March 21, 2024
羊たちと触れ合う~滝沢南中が農業体験学習
March 21, 2024「ピュルル~」。岩手県滝沢市の岩手山のふもとに広がる草原で、涼やかな風に混じって羊飼いの口笛が響く。モンゴル人のラオグジャブ・ムンフバットさん(36)は、地域の人に支えられながら羊の牧場経営を続けている。
モンゴルの首都ウランバートルから西に約1千キロ離れた草原で、遊牧民の子として生まれた。季節が変わる度にゲル(家)を移動し、馬に乗って水をくみに行ったり、羊や牛を育てたりして暮らした。
「小さいころは馬よりも自転車がほしくて。祖父と市場に行き、カシミヤの毛と自転車を物々交換してもらいました」
小学4年生からはウランバートルに引っ越し、勉強に励んだ。中学生の時、ソニーの創業者の一人、故・盛田昭夫氏の著作を読み、優れた製品を作り出す日本の技術に憧れた。
高校では日本語を学び、モンゴル相撲でウランバートルのチャンピオンになって、教師たちからは「横綱」と呼ばれた。夢をかなえるため、2009年、奨学金を得て岩手大人文社会科学部に留学した。